昨日は伊賀市でセミナー。テーマはずばり「図書館」。当然ながら多くの取材陣がお見えになり、市民の皆さんからいろいろなご質問を頂きました。
図書館の選書に関するものもありましたが、セミナーが終わってからも、「なぜ選書体制が完全ではなかったのか」「意図的に不要な古書を買ったのではないか」「何らかの癒着があったのではないか」「まだ何か隠していることはないのか」というご質問を頂きました。
まず申し上げたいのは、一企業を利するような意図はなかったということです。武雄市教育委員会から本日、発表があったように開館準備を進める上で図書館の安全対策費用が発生し、その費用捻出の為に中古本を使用した蔵書購入でコストダウンを図ったのが経緯です。
CCCは、教育委員会の指示により、2056万円の蔵書購入費を756万円に圧縮し、緊急に発生した安全対策費用を捻出しておりました。その捻出に当たってのプロセスについては武雄市教育委員会も了解をして進めておりました(CCCの発表資料はこちらです。)。
この決定プロセスについては、教育委員会及び現場に委ねており、当時の行政の最高責任者である私が詳細まで関知していなかったことについて、反省の上、お詫び申し上げます。
確かに、行政手続として問題はなかったにしても、プロセスについて説明を怠っていたことは所管の武雄市教育委員会、そして、予算編成権を有する市長であった私の責任は重い。
とは言え、追加で必要な費用が発生し、追加予算措置を行なう時間と捻出体力も無い武雄市にとって、限られた予算で効率化をはかり、より高い市民価値を実現しようとしたことは間違ってはいなかったと思っています。
武雄市図書館のリニューアル準備の時間はわずか1年弱。講演などで冗談交じりに話していましたが、「オープンを伸ばしてください。さもないと倒れます」とCCC担当者に泣きつかれて、「分かりました。リニューアルしてから倒れていただけないでしょうか」とお願いしたのは、本当の話です。
政令指定都市でもなければ、無名の地方の一市町村である武雄市が、スピードを持って価値を形にしなければ、埋没してしまう。着任当初から、強烈な危機感がありました。とにかく早く形にして、魅力ある図書館をつくって、市の財産として皆さんと共に育てていきたいと思いました。また、修正すべきものは市民の皆さんのご意見を伺いながら、速やかに修正していく、その姿勢を堅持して参りました。
しかし、そのスピードというしわ寄せが大きく、条例改正や議決、予算確保に追われながら、本来最も重視するべき行政の説明責任が機能しなかったのは、自身の責任以外にないと思います。申し訳ありませんでした。
図書館を使ってくださる市民のみなさまのために、遠くからはるばる武雄市図書館に訪れてくださったみなさまのために、このようなことが再発することない防止策を徹底し、速やかに軌道修正していくこと、そのために必要な情報を速やかに開示していくこと、引き続き、図書館の価値向上に全力を挙げていくことが重要であると思っています。
初期に納入された蔵書の内容についてもいくつか指摘を受けておりますが、当時のCCCも武雄市も今から考えると選書に弱さがあったことは、率直に認めます。過去に戻れば「ああすれば良かった」と気付く点については開館2年を経て、より成長した武雄市とCCCの共同体制で不断の見直しを行なってもらうことを期待しています。
最後に、どうか、多くのご意見をお寄せください。より良い図書館をつくっていくために、力を貸してください。よろしくお願い申し上げます。