校長という仕事

校長という仕事校長という仕事

校長先生

誰もが思い出す顔があるくらいに馴染みのある存在。しかし、その実態はほとんど知られていない。「校長という仕事」の筆者は、二代目「民間人校長」として東京都杉並区立和田中学校の校長を5年にわたり務めた代田昭久さん。初代の「民間人校長」はあの藤原和博氏。劇薬とも言うべき大改革を断行した初代校長の指名を受け、会社社長から2008年4月に校長に転身。

本書でも「二代目」ならではの苦労を交えながら校長という仕事を詳細かつ客観的に紹介する。生徒、保護者、教員、教育委員会、地域といった様々な人々からなる「学校」を舞台に日々起こる問題。これらにどのように対処していったのか。本書からは、保護者とも教員とも違った視点で、丁寧に一つ一つ解決を図っていった、「校長」ならではの苦渋、労苦を見て取ることができる。

その上で、校長の激務を筆者が「素敵な校長の仕事」(はじめに)と紹介できるのは、5年間に注いだ日々の情熱と愛情、そしてその確かな手応えゆえであろう。本書は、こうした「校長」の日常のほかに「学校現場」といういわばフロンティアに、経営やマネジメントの考え方、手法を導入することで改革を進めていった過程を具体的に紹介する。

企業人、そしてIT企業の経営者としての知識、経験をいかんなく発揮して「よのなかか」や「土スペ」(夜間特別補修授業)「部活イノベーション」などの和田中の代名詞とも言うべき取組みをはじめとした様々な改革によって学校が変化していく様は、言わば、「学校版もしドラ」を見るよう。「学校は、単に教育を行う場ではなく、教職員や、予算、設備などの学校資源を活用し、外部との折衝を含めた改革の必要性があるとされ、校長には、それをマネジメントしていく意識が求められる」(P75)という言葉が象徴的。

本書は、実際に「学校」に関わる保護者、教職員にとどまらず、経営やマネジメントを学ぶ読者にも必読書の書としてお勧めしたい。


そして、今は、ご存知のとおり、武雄市教育長を補佐する教育監。ICT教育、反転授業の責任者です。去年の春にスカウトし、半年後の10月から現職。代田さんの本を読んで、さらに分かったのが、理想を追い求めつつ、現実への着地点が上手い、ということ。経営と実務、教育、ICTと関連性の少ない分野の結節点となっているところはまた凄いのですが、それ以上に感心しているのは、氏のもつ説明能力。本にも遺憾なく発揮されているんですが、初の市議会答弁でもそれは見事で、うるさ型の市議会議員が納得していました(もっと、僕の答弁で納得してほしいものですが(笑)。)。

「前向き」「具体的」な代田さんと仕事をするのは本当に楽しい。また、数年後、武雄市のことを書いてくれるでしょう。その時がまた楽しみです。

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