【書評】イスラム国 テロリストが国家をつくる時

イスラム国 テロリストが国家をつくる時

イスラム国 テロリストが国家をつくる時

恐ろしい本を読んでしまった。しかし、いま中東で起きていることを理解する
のに、これほどの良書はない。

ISIL(いわゆる「イスラム国」)の成立から組織運営、何を目指しているのか
ということまで、綿密な取材に基づいて書かれている。たとえば、彼らは自爆
テロ一件ごとの費用にいたるまで詳細な収支を記録し、多国籍企業もかくやと
いう決算報告書を作成しているという。残虐な映像やメディア操作に惑わされて、
単なる狂信的なテロ集団というレッテルを張ると、重要な点を見落としかねないと
警鐘を鳴らす。

これまでのテロ組織と何が違うのか。なぜISILが生まれたのか。ムハンマド、
そしてオスマン帝国の時代から、巨視的な視点の中で位置づける筆力は圧巻。
残虐な圧政にもかかわらず、なぜISILを志願する若者が現れるのか。ソーシャル
メディアがどのような影響を与えているのか。そうした考察とともに、新たな
国家の可能性を示唆する。

「イスラム国」が国際社会で認知される日はくるかという、本書の仮定は、
あまりにおぞましい。しかし現実を直視して、あらゆるシナリオを想定していく。
そのリテラシーこそが問われている。

このエントリーをはてなブックマークに追加

メールマガジンの紹介

樋渡社中に集う皆さんの交流のためのツールとして、
「樋渡啓祐の地方創生ここだけの話」という
メルマガを創刊しました。
大好きな地方活性化の今までの取組やこれからの話など、
ここだけでしか書けない話をどんどん発信していきます。
様々な同士の方にも参加いただき、地方創生に興味ある方に
役立つ情報を届けていきます。
メルマガ会員限定の少人数講演会なども
積極的にやりたいと考えています。
是非皆さんも樋渡社中にご参加ください。